『こびっとハウス』について

新しい時代の生き方を模索

2,011年3月に発生した東日本大震災、そして東京電力福島第一原発の事故。それにより、今まで自分達が生きる土台としてきた自然とどう向き合ったらよいのかわからない、という絶望的な気持ちになりました。どうしてよいか解らない、ならば、いろいろな人が感じていること、考えていることを聞く場、みんなで話す場をつくろう!と2,011年5月から対話の会を始めました。

そして、地域の人が集って、様々な人がそこで交流して、新しいものを生み出していくような場をつくりたい、ということで、『地域のお茶の間』づくりを2012年から始めました。

 

自分の手でつくる、生きる力を取り戻す

 

そして、コンセプトから具体的なデザインや間取りまで、自分達で考え、可能な限り自分たちでやるために、プロの方にアドバイスをいただきながら、セルフリフォームが始まりました。最初は全く建築の知識が無い私たちでしたが、教えていただきやっていくうちに、だんだん、できるようになり、1年経ったら、自分達で考えて出来るようになっていました。それが自分で出来るという自信になり、畑を自分でやって食べるものをつくることと同じように、生きる力がついたような気分になります。

ナチュラルビルディングとパーマカルチャー

持続可能な建物をつくりために、素材選びや作り方など、自分達で考えて、使う材料も選んできました。必ずしも、自然のものを使えば持続可能なのか?というと、その土地の気候などによっても違ってくるので、そのあたりも考えながら選択していきました。
また、「自分達にできるのだろうか?」と思っていたリフォームですが、パーマカルチャーのデザインの仕方を元に、コンセプトをつくり、問題点を洗い出し、その解決方法を考え、ちょっとづつ、形にしてきました。

つくる過程を大事にする

目標を立てて、それに向かってなりふり構わず進めるのではなく、手伝いに訪れてくれる友人達と、時間を共有しながら楽しみながら進めてきました。計画や目標はいちおう作りますが、起きてくる事の流れを見ながら、行くべき方向に軌道を修正しつつ、その場がよりなりたがっている方向を見出しながら進めています。

基本、わたし達二人、そして、アドバイザーの奈良部さん、友人達で作っています。目標を立てることで、誰かがつらくなったり大変になったりしないよう、何か違和感を感じたら、対話をするようにしています。自分の中に起きる小さな声、例えば「締切りがあることで楽しく進められない!」という声が自分の中にあったら、それをちゃんと話してみると、意外なよい解決策が生まれて、そのままゴリ押しで進めるよりも、良いことが起きたりします。プロセスにしたがって進んでいくこと、とても大事です。プロセス指向建築です^^
なので、こびっとハウスには完成は無いかもしれません(笑)

 

今までのレポートは、こちらをご覧ください。
Earth Spiral こびっとハウスプロジェクト